スタンダードロッドをめぐる考え方を見ていると、いろいろなものを映し出すようで楽しい。その人の釣りのスタイルだけではなくって、釣り場環境だとか景気とか流行とか…。
さて15年前、エキスパートたちはどんなロッドで釣りしていたのでしょう。
答えはこの本の中にあります。
Favorite FlyTackle エキスパート・フライフィッシャーのお気に入りタックルは3冊シリーズ。その次男坊がこの「The Best RODS & REELS〜ロッドとリール、ラインシステム〜」。
まだバブルからの景気の良さを引きずっていた時代(今から思えば、ですが)。2000年に徳間書店から発売されたムック本(タツミムック 男の悦楽ホビーハンドブック・シリーズ)。
1がベストとその中味、3がフライボックスとフライ。
【釣り】フライタイイング小ワザ100連発その3 タイイング教書あれこれ〜うちの本棚ひとつかみ
3については当ブログで取り上げたことがありました。
ここに見え隠れするのは
- やっぱり舶来主義が強いかな
- 海外の川で使うお気に入りというピックアップも多いからか
- 国産バンブー芽が出てきたあたりかな
- そういえばグラスロッドはちょっぴり
- タックルのメーカーの好みは結構散ってる
- そのへんはさすがエキスパートってか
中味拝見
15年前の備前貢さんのお気に入り。
ハーミットの稲見さんのお気に入り。
ScottのF703…ファイバータッチか。あったね、グラスロッド。
マーヴェリックの勝俣(マサ)さん。
アクロポリスの村島さん。まだアクロポリス始める前ですね。
ティムコの島崎了さん。
15年前っていうとちょうどティムコが初代のブッシュマスター売り出したあたり(発売は1999年)。
それにしても、徳間書店からこういう本が出るというのは編集者の熱意も相当だと思いますが、まだ出版業界内では「豊かさ」があったのでしょうね(いまから思えば、ですけど)。
ちなみにこのシリーズは、フライの雑誌の好評連載企画である「隣人のフライボックス」にインスパイアされたもの。まあ、似てますもんね…。
「フライロッドを片手に雑誌をつくった」のP34からフェイバリット〜シリーズが生まれた背景などが書いてあります。この書籍には日本のフライの盛り上がっていった時期とその辺りの熱気を感じます。当時の空気感をリアルに感じて。
~『FFJ』と『フライの雑誌』を創った編集者、中沢孝さんについての本です。彼と釣りをした人、その仕事ぶりにふれた人、27人が綴っています。フライフィッシャーマンとして、また編集者として希有だった中沢さんの人となりや仕事ぶりが描かれています。中沢さんが活躍した1980年代からの日本のフライフィッシングの発展期の逸話などもたっぷりつまっています。全~~編、書き下ろし語り下ろしの304ページ。読み応えアリ!です。~
15年前を想像しながら(あるいは思い出しながら)2015年、みんなの考えるスタンダード・フライロッドを考えてみるのはおもしろい。
あのころと何が変わって何が変わってないんだろう。
物事が成熟すると向かう先は「本質への追求」となり、だいたいは「そもそも論」ってものに回帰していくと思う。この15年で市場規模がぐっと小さくなった日本のフライフィッシング市場だけど、いまのグラスロッドやバンブーロッドが輝きを増してきたのは、背景にそういうトコロがあるんじゃないだろうか。
そんでもって、やっぱりグラスロッドが気になるんだなあ。
せっかくだから全部コンプリートしてみてはどうかな。フライの雑誌もセットで。
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