【釣り】森から川へ陸生動物が落ちてくる季節の長さが川の生態系を変える(神戸大学)【論文】

2021/03/09

フライフィッシング

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 森から川へ陸生動物が落ちてくる季節の長さが川の生態系を変える(神戸大学)

って論文が出ていたのをTwitterで目にした。便利な世の中だな。

これは秋に集中してでてきたカメムシの腹側


で、気になるその内容はというと


 


  • 森から川への陸生昆虫の供給期間が集中的な場合、アマゴ同士の餌をめぐる競争が緩和され、どのアマゴもまんべんなく成長し、体サイズの個体差が小さくなった。対して、陸生昆虫の供給期間が持続的な場合、大きなアマゴが陸生昆虫を独占して独り勝ちする魚社会になり、大きなアマゴばかりが成長し、体サイズの個体差が大きくなった。
  • 陸生昆虫の供給期間が集中的な場合と持続的な場合で、河川の底生動物※1 の生息個体数や落葉破砕速度※2 は大きく異なった。しかも、この結果は、魚に食べられやすい底生動物が優占する実験区でのみ確認された。
  • 生態系がつながる期間の長さが生態系に及ぼす影響を初めて明らかにした。気候変動は生物の季節性を大きく変化させているため、本研究の成果は気候変動に対する生態系の応答を理解・予測する上でも重要な示唆を与える。

というもの

あれ、これって!そう。カマドウマとそれに寄生するハリガネムシの論文を執筆した神戸大学大学院理学研究科の佐藤拓哉准教授チームの研究だ!


今回の研究ではハリガネムシやカマドウマだけじゃない。

テレストリアル流下が集中的な川っていうと初夏から秋にかけて多くなる川ってことかな。そういう川ではテレストリアルは満遍なく行き渡ってアマゴサイズは満遍なく成長する。なんだろう、初夏のビートル秋のホッパーって感じのイメージかな。

しかしテレストリアル流下が持続的な川ではでかいアマゴが独占的になってよりデカくなる。持続的ってアリンコ、ハルゼミ、ビートル、ホッパー系、あとカメムシとかインチワームとかかな。その辺よくわからないけど。


集中区では、小型個体もある程度の陸生昆虫を食べているが、持続区の小型個体はあまり食べていなかった。集中区では、底生動物を食べる量が対照区に比べて顕著に少なくなっていたが、持続区では特に小型個体が底生動物を多く食べている傾向があった。
アマゴ全体として底生動物を食べる量が減った集中区では、底生動物の個体数が最も多く(図4A「ユスリカが優占」の場合)、落葉破砕速度も最も早くなっていました(図4B「ユスリカが優占」の場合)。一方、特に小型個体が底生動物を食べる量の多かった持続区では、底生動物の生息個体数と落葉分解速度ともに、集中区ほど高まっていませんでした。すなわち、陸生昆虫が、魚の摂餌活動を変化させることで、底生動物と落葉破砕速度に及ぼす正の間接効果は、集中区で、持続区よりも顕著に高いことが明らかになりました。

 

なになに?

  • 集中区→底生動物は小型個体に喰われてる→底生動物が少なく落ち葉の分解遅い
  • 持続区→底生動物はそれほど小型個体に喰われてない→底生動物が多く落ち葉の分解早い

ってことは川底の落ち葉が多い川はテレストリアルの流下が持続的な川って言えるのだろうか。 

本研究から、森の虫が川に供給される期間の長さは、アマゴの体サイズ構造やひいては河川の食物網と生態系機能にまで影響することが初めて実証されました。また、河川生態系への影響は、アマゴに食べられやすい底生動物が多いほど強い可能性も明らかになりました。この研究結果は、森や川といった生態系のつながりを生み出す生物の「季節性」が、食物網の構造や生態系機能を理解する上で非常に重要なことを示しています。


テレストリアルの川への供給が長い短いってのが実際のフィールドでどうなのか、太平洋側と日本海側、針葉樹林と広葉樹林、天然林と植林でもずいぶん変わってくるとは思うけれど、テレストリアルは思っている以上に魚たちに利用されているのは間違いなさそうだ。ハルゼミとかも巻いとこうかな。


元の論文こちら。British Ecological Society

昼休みももう終わるので、今日のところはひとまず以上です。

 

フライ回収棒研究所

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