まずはタイイングする時に、どのフックにしようか結構迷うところですよね。大きさとか長さとかはすぐわかるところですが、微妙な重さとかをどう考えるか。
最近このフックの重さについてよく考えています。
まずは見てくださいよこの写真を
ネットで拾ったこの画像。アシナガバチが水面に乗っている写真なんですが、この大きな影に注目。足が水面を凹ませて大きな丸い影ができています。
魚は水面を見るときに、フィッシュウィンドウの外側でもこの凹ませた水面はよく目立っています。
それで、フックの重さの話なんですが
実際は影っていうより水面の凹みによって生じた水面の屈折によるキラメキ(あるいはギラツキ)として魚に写ってるようなんですけども。
どうです、ってことはドライフライっていうのはですね、フライと水面との接し方、あるいは水中への没し方、それから水面の凹ませ具合の演出をどうするかってことなんですよね。
だから水面にそっと乗ってる虫ならば細くて軽いフックをチョイスしなくちゃならないし、虫の身体で大きく水面を凹ませるのを表現するならばちょっと太軸のフックが良かったりするんですね。
マシュマロボディのカディスフライを島崎さんがタイイングする動画がYouTubeに上がってますけど、その時のフックはTMC113BLなんです。TMC103BLじゃなくってですよ!これ、上記の何かしらの狙いがあると思ってます(まさか新製品のプロモーション? でも113ってNymph用って書いてありますしね!)。
あ、もちろんドライフライはマテリアルのつけすぎに注意ですね。
個人的にはこう思ってます
また、魚がスレてない場合はこういう演出をちょっと大げさにしたほうがいい結果に結びついたり、逆に激戦釣り場では演出控えめが効果的な気がしています。ここ大事ですよね。同じパターンでも釣り場によって演出を大きくするか小さくするかってことです。フロータントのつけ方でさらに微妙なコントロールができますよね。
文字に起こしていてもなかなか難しいのですので詳しくはフライの雑誌社刊「水生昆虫アルバム」by島崎憲司郎氏 を読んでいただければと思います。
軽いフライは写真のアシナガバチのように足だけでちょこんと水面に乗ってるのを表現しなくてはならないわけです。
虫と水面との絡み方をビジュアルでうまく表現したのがこの
フライの雑誌社刊「水生昆虫アルバム」by島崎憲司郎氏
なんですよ。
さっきのアシナガバチはこのBF7(ヤグラ)ですね。
BFコードというのはBasic Floatation Codeのことです。
さらには虫の羽化の仕方を分類したハッチコードと組み合わせることで、我々フライマンが魚の思考を考慮しやすくなるというわけなんです。
図の下の方(白い方)はフィッシュウィンドウ内の見え方で、上の方(黒い方)はフィッシュウインドウ外の見え方。水面を凹ませたところがギラッと光ってるの分かりますね。
これなんです。この本が偉大なところは。
まさに新しい古典。僕らの釣りはここから始まる。
昆虫学者の目線では思いつかないこの概念。あくまで水面絡みを演出しなくてはならないフライマン目線。
アガリ、ツルシ、マルタ、ピーダツ…ツッコミ、ハネオチ。と遊び心が島崎さんっぽい。
これは書籍の付録。
魚目線ツールもあるよ
こんな商品買うやついるのかって僕も思ってましたよ。でもあったら便利だってことはよくわかりましたよね。
フライを風呂に浮かべて沈んで見てみるっていうのもアリですけどもw
前置きが長くなってしまいましたが、毛針を魚目線でチェックするツールがこのC&Fフィッシュアイなんです。オフィシャルサイトの商品ページはこちら。
昨今のフライ書籍事情
ところでこないだ記事書いてみて思ったんですが、
【釣り】フライ巻く時に参考になる水生昆虫の見本書籍・資料【フライタイイング】
アウトドアブームが落ちついてきたのと出版不況でもってフライフィッシングの参考図書の発刊が近頃めっきり少なくなって久しいんですよね。
ここ5年くらいでフライの世界に入ってきた人は随分苦労されているんではないでしょうか。っていうのは2005年くらいまではフライ関係の書籍はじゃぶじゃぶと市場に出回っていたんですよ。
最近記事を書いて思うことは、みんなが知ってて当たり前の情報が実は近年流通してないんじゃないのってことです。
往年のフライマンなら常識な情報も、実はそうではなかったりするのかなって。たとえば、最近フライデビューした人(テンカラでもいいですけども)はマルチグルーのちゃんとした使い方なんて知ってるんでしょうか。フライによってはこれがあるとないとではタイイングの効率に直結しますからね。
ってことで、そういう情報もどんどんネットの海に流していかないといけないのではないのか!って勝手に思ってブログ書いてます。
いろいろ詰め込みすぎて、なんかまとまりのない記事になってしまいました(汗
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