料理通信もDanchu(ダンチュウ)も今月そろって燗酒がおおきくとりあげられています。めずらしい!
からだにやさしい燗酒。料理をおいしくする燗酒。もっとみんなに燗酒のよさを語っていきたい!
ワインは合わせる食べ物によって美味しさがおおきく振れたりします。一方燗酒はもとがお米なだけに大体の食い物に合いますね。
燗に向く酒は自然派ワインと共通点も多く感じられるでしょう。
開栓して味がまろやかになっていくところとか。
じゃあ料理通信から、燗酒とどう付き合っていくかを教えてもらいましょう。
燗映えのする酒のタイプを知る
しっかりと発酵した酒を選ぶのが最も大事。ダメな酒は発酵が不完全で糖が残ってしまいベタベタするような飲み口。こういう酒は杯がすすみません。うまい酒は杯がするっと空いてしまいます。水道水とミネラルウォーターの違いっていうんですかね。とにかくスルッと滑るように喉を通っていきます。
すべりがいい
っていうんですね。
こういう酒質の強い酒は日陰で開栓常温放置が基本。何年も持ちますよ。
スッキリ系、しっかり系、熟成系
とあるので、手当たり次第飲みまくって木の実を見つけましょう。私はしっかり系と熟成系を3対2くらいの割合でもってますかね。
お酒を育てる
ものによっては1ヶ月(もしくはそれ以上)放置しないと味が開かないものもあります。こういう情報はネット通販だとなかなかわからないものなので、できれば燗酒に強い酒屋で色々聞きながら買うのがオススメ。
地酒しか扱わない店とか、冷酒ばかりの店はこういう情報持ってませんから。
燗をつける
レンジ燗だと温度ムラができやすいので、できれば湯煎がいいですね。沸かしたヤカンや電気ポットにチロリや徳利をドボンといれて燗がいいですね。
温度計もあったほうがいいです。ほら釣りで使ってる水温計あるでしょ。あれ使いましょう。
わたしはキッチン温度計を釣りで使っていますけどね。
酒器を選ぶ
酒の旨味をしっかり味わうなら平べったい平杯がオススメ。フチが欠けやすいので複数まとめ買いしておこう。
野菜料理、魚料理、肉料理、中華料理、スパイス系料理…漬物、マリネ、チーズ、なんでもこい。
個人的にはちくわの燻製したやつとか、分厚い油揚げに大葉味噌チーズなど挟んであぶったやつとか、塩麹に一晩浸けておいた手羽中をあぶったやつとか、カルパッチョとか、キャベツと塩昆布とレモン塩の和え物とか、レンコンのマリネとか好きですね。あげだすときりがないな。
燗酒に向かない酒
アルコール添加の酒はだめですね。二日酔いの元です。アルコールのクラスターがでかいので吸収がわるいんですよ。そもそも論でいくともともと日本酒って純米酒だったんですよ、ぜんぶ。戦後の物資の少ない時に認められたカテゴリーですからアル添は。こんなの飲まなくていいですよ(たまにありますけどね、本醸造でもうまいのは)。炭ろ過のはげしいやつもだめですね。うまさもなくなってますよ。無ろ過(あるいはほどほどろ過)のがいいですよ。淡麗辛口なんてだめですよ。薄いだけです。
香りのきつい吟醸系もだめですね。燗すると香りがきつくて杯が進まなくなるんですよ。
大吟醸でもうまいのはあるんですが、米削っている分だけ味がピュアになりすぎちゃうし、そもそもコスパ悪いです。高価な酒が必ずしもうまいってわけではないんです。普通のレギュラーな純米酒でOK。
冷酒に特化したものはだめですね。ひや(常温)や冷たくして飲む酒はそういう方向に舵切って仕込んでますんで、だいたい燗酒にすると味にまとまりがなくなりますね。アイスコーヒー専用コーヒーみたいなもんです。
ラベルなどデザインで酒を選ばないほうがいいです。ほとんど関係ないんで。贈り物じゃないんで。
あとは地酒ってをあまり意識しないほうがいいです。どの蔵でどう作っているかが重要なのです。
どの酒買ったかわからないのであれば下記がちょっと参考になりますかね。うちの酒を見てもらいましょう。
開栓常温放置中のうちの酒たち。
竹鶴(広島)、弁天娘。(鳥取)、群馬泉(群馬)、生酛のどぶ(奈良)、睡龍(奈良)
平杯はフチがすぐ欠けやすいんです。
アルミのちろりは激安ですが、こだわるなら銅とか錫(すず)もあり。
やかんで燗。
そのあいだ徳利も温めておきます。
旭菊(福岡) 大地
群馬泉(群馬) 超特撰。
睡龍(奈良) 生酛純米19BY。(BYはBrewer Yearのことでこの場合は平成19年仕込みの熟成酒ってことです)。
竹鶴(広島) 合鴨農法米 門藤夢様
竹泉(兵庫) 特別純米五百万石
生酛のどぶ 睡龍とおなじ久保本家酒造
辨天娘(鳥取)生酛 玉栄
北島(滋賀) 生酛玉栄、辨天娘 強力純米濁り酒、杜の蔵 七七七(7号酵母、七割磨き、7年熟成)。
戦後になってアルコール添加の酒を作るのをぱったり止めちゃって全国で初めての全量純米蔵となった神亀(埼玉)。竹鶴の杜氏 石川氏もここで修行した。
戦う純米酒って本に詳しくある。
もともと日本酒は純米酒だけだったんですが、戦後物資が少ない時にアルコール添加が認められたのが現在も続いていると。
今の技術で本来の酒を追求しようというのが骨子ですね。つまり現代が一番うまい酒が揃ってる時代であると!その辺の話はダンチュウのほうに書いてあったかな。
天隠(島根)
群馬泉(群馬) 初しぼり。ひやでもうまい。
玉川(京都) 特別純米 英国人のハーパーさんが杜氏。
鯉川(山形) 鉄人うすにごり
旭菊(福岡) 麗
松尾(長野)
キンキンに冷やしていただくとリンゴ酸が立ってまた違う味わいになる
竹鶴(広島) 酸味一体
ところでタイトルにある「フライマンのための」ってのに特に意味はないです。アクセス見ると【釣り】ってタイトルについてる記事がよく読まれてるので、読者の大半はフライの人だろうということで。
あとフライやってる人の呼称は「フライマン」でよかったんでしょうか。釣りキチ三平にも「風来満(フライマン)」って出てくるので正しいということにします(笑)。
(故)上原先生の「純米酒を極める」も一読しておくと理解が深まります。酒は純米、燗ならなおよし。
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